特別支援学校

特別支援学校ってどんなところ?子どもたちの様子は?

私は特別支援学校で教師をしていたことがあります(当時は養護学校と言いました)

特別支援学校はその名の通り「児童生徒を支援する学校」ですが、一般的には少し特殊な場所と見られているような気がします。

就学前だと保育園や幼稚園・行政から「お子さんは特別支援学校に入学してはどうですか?」という打診がある場合があります。

親御さんは困惑したり、悩んだりするかもしれません。

特別支援学校ってどんなところなんでしょう?

かつては盲学校・聾学校・養護学校

視覚障害・聴覚障害・知的障害・肢体不自由・病弱などのお子さんが通う学校で、かつては盲学校・聾学校・養護学校と呼ばれていました。

私が勤務していた養護学校には知的障害と肢体不自由のお子さんの両方が通ってきていました。

盲学校・聾学校とは少し違いがあるかもしれませんが、養護学校での生活をご紹介します。

一日の流れ

  1. 登校  自家用車による登校、または通学バスがほとんどでした。通学範囲が広く長時間バスに揺られてくる子もいます。
  2. 健康観察  肢体不自由のお子さんなどは特に日々の体調チェックが大切です。おうちの方と直接話したり、連絡帳で確認したりします。
  3. 授業  ここが一般の学校と違うところでしょう。そもそも、一クラスが少人数で授業内容は個々に適したものとなります。大げさかもしれませんが、私はこれが教育の原点だ!って感じました。のちほど詳しく。
  4. 給食  アレルギー対策などは一般の学校と同じ。そのほかに箸やスプーンの使い方の指導・嚥下補助(ミキサーで細かく砕いたり、抱きかかえて食べさせてあげたり)ということもあります。
  5. 下校  登校と同じように学校のバスやおうちの方のお迎えで下校します。登校同様、バスには乗降の補助をする職員が乗り込みます。

子どもたちの様子

年齢別に幼稚部・小学部・中学部・高等部と分かれていて、さらに障害別にクラス分けされていることが多いと思います(学校によってクラス分けはいろいろ)

大まかに分けて「知的障害」と「肢体不自由」とがありますが、重度重複=両方の要素を持っているお子さんも多くいます。

前述のように、その障害の度合いに合わせてほぼ個別に指導していくのです。

私は一般の中学校から異動して支援学校に行ったとき、本当に感動したのです。教師は、一人ひとりに向き合って「この子には何を提供すべきか?どうすればこの子の能力を引き出せるか?」ということを考えている。もちろん、一般の学校の教師がそうでないわけではないんですが、もっともっと濃密な感じがします。そして、スモールステップでできたことを喜ぶ。

たとえば「スプーンをじょうずに使ってスープを飲めた」なんていうことも教育の一環。教育が生きることにつながっている、直結している、ということを実感します。

子どもたちの状態は本当に千差万別で、教師も親御さんと同じように、家族のようにその子を見ていきます。指導していく上ではそうせざるを得ないんですね。

脳性まひなどで車いすに乗っている子はことばが上手く話せないことがあります。でも、こちらから話しかけたことはよく理解していて能力の高い子もよくいます。

ダウン症の子などは明るい子が多い!いつもニコニコしてクラスを明るくしてくれます。純粋で素直な心に触れて感動したことを覚えています。

親御さんの様子

たぶん特別支援学校への入学を決めた時点で気持ちの整理はついているのだと思います。

それまでには「毎日泣いて暮らした」というお話も聞きます。

そうしていろいろ考え、悩み、出した結論が支援学校だったんでしょう。

親御さんは淡々と粛々と子どもたちの成長を見守っています。

そんな中にあって、ときどき見せる子どもの笑顔や、小さな成長が親御さんにも教師にも大きな喜びになるのです。

近年、増えつつある発達障害

「お子さんは発達障害です」・・・という判断はきわめて難しいと思います。

今までもそんな子はいたんだけど、なんとなく適応して(本人はつらかったかも)なんとなく紛れてしまっていた

発達障害の子が特別支援学校に行くかどうかは個別の判断によります。

一般の学校でうまく適応できない=本人の居場所がない=本人がツライ

ということであれば、支援学校の方が適しているかもしれません。

あくまでも、主役は「本人」

その子が成長するにはどこで学習するのが最適なのか?

それを親御さんはじめ、地域行政などとも相談して決めていくべきですね。

私の意見

「障害」ということばには違和感を持つ方が多いのではないでしょうか?私も同じ。「障害」って誰かに害を与えるような印象がありますが、決してそんなことはありません。発達障害の症例などを見ると、その度合いが違うだけで誰もが持っている性質=『個性』なんじゃないの?と思うことがあります。これからの教育はそんな特出した性格・性質をどのように伸ばしていくか?という方向に変わっていくんじゃないかと思うのです。

特別支援学校の子どもたちに教えてもらったこと

見えないものを見る

脳性まひの子のように、うまくしゃべれない子は「能力が低いんじゃないか?」と思ってしまう勝手な判断。

決してそんなことはないんです。見た目だけじゃなく、その人の本質をきちんと見極める力を持たなくてはいけない!

純粋

子どもはみんな純粋ではあるけれど、さらにそれを感じます。彼らには下心がない。損得勘定でものごとを考えない。正しいと思えば迷わずやる。世の中の多くの大人が反省すべきことですね。

幸せは近くにある

お金を持っているとか、地位や名誉があるとか、そんな大それたことではなくて、スプーンでじょうずにすくえたとか、ニッコリ笑って挨拶できたとか、そんなことが幸せなんだ。小さいことかもしれないけど、喜びはめちゃくちゃ大きい。充分シアワセ!

荒れた中学校から特別支援学校に異動してきたとき、子どもたちの純粋さに思わず涙しました。彼らには教えてもらったことがたくさんあります。私の人生のなかの貴重な経験だし、とても感謝しています。


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