先生

【ピアノの先生向け】親御さんとの付き合い方

大学を卒業して晴れて「先生」として働くことになり、意気揚々と仕事を始めた方。

先生という職業は「生徒に教える」ことが主ではありますが、それ以外に親御さんとの付き合い方もあります。これはピアノの先生に限ったことではありません。

若干20歳代の若い人たちにとって、生徒の親は確実に自分より年上。そういう人たちとどうお付き合いしていくか?悩む方も多いと思います。

では解決策を考えてみましょう。

自分はどんなタイプの先生か?

まずは自分がどんなタイプ(性格)なのか、きちんと把握しましょう。

  • 「教師」として堅実な姿勢を保ち、生徒とは距離をおきたい
  • 生徒とは友達感覚の先生でいたい
  • 生徒、その親と家族のように親密になりたい

自分の性格を無視して、ただ「理想の教師像」を追いかけてしまったら、いずれどこかにゆがみが出てきます。

自分に嘘をついて、無理をしてしまったら自分が苦しくなります。

素の自分を堂々と出せる環境をつくり、そのうえで親御さんとの接し方を考えていきましょう。

先生のタイプ別 親との付き合い方

1.生徒とは距離をおきたいタイプ

学校の先生だとそうはいきませんが、ピアノの先生の場合は「ピアノ」というクッションがあるので、それ以外のことに多く関わらないで済むこともできます。

「自分はピアノの先生なんだから」と、割り切って本職のピアノの技能を磨けばいいのです。

発表会の模範演奏や、別の場所であなたが演奏する機会があれば「わーやっぱり先生はすごいな~」って何も話さなくても認めてくれます。

ピアノを専門に学んできた人には職人気質の方も多いと思います。ピアノは一人の作業ですから人と関わるのが苦手という方もいるでしょう。無理することはありません。自分の強み・持ち味・力が発揮できるところを親御さんに示していきましょう。

2.生徒とは友達感覚でいたいタイプ

人づきあいがじょうずで、生徒ともすぐ友達のようになれる人はスムーズに人間関係がつくれますね。

ただ親御さんとなると、どうしても自分より年上なので緊張してしまうかもしれません。

それでも自分に嘘をつく必要はありません。それは結局どこかで見破られるものだし、嘘をついて取り繕っているのは苦しいですものね。

親にしてみれば、なによりも子どもが楽しんでいることが最大のよろこび!

  • いつもピアノのレッスンに行くのを楽しみにしている
  • ピアノを弾くのが楽しいようだ

というような姿が見られれば親は満足です。

そうなるように導いていくのが先生の役目ですね。

どんなにムツカシイ顔をした親御さんでも、わが子が楽しんでいる姿は嬉しいもの。友達感覚から親友にまでなってもいい!

3.家族のように親密になりたいタイプ

友達感覚からの延長には「家族のように親密」という関係があります。

子どもの頃からピアノを通じてお付き合いしてきて中学・高校まで長く関わると「進路」の問題にぶつかることもあります。

進路を決めるには、その子をいろいろな角度から見ていろいろな選択肢を見つけてあげたいもの。

家庭や学校以外の様子、たとえばピアノ教室ではどんな様子なのか?ということを知りたい親御さんもいます。

そうなったら、ピアノの先生とはいえ子どもにとっては「人生の先を行く先輩」ですから、レッスン時に見えるその子の様子・性格(ピアノを弾くのを見ていると性格も少しわかってきます)などを伝えて、親御さんと一緒に親身に考えていきたいものですね。

親のタイプ別 親との付き合い方

生徒の親御さんにもいろいろなタイプがありますね。

  • とても熱心に関わっているタイプ
  • 放任主義
  • 適度に関わるタイプ

先生である私が書くとこちら側からの勝手な分類かもしれませんので、あしからず。

1.とても熱心に関わるタイプの親

ピアノを習わせたいという親御さんの中には「かつて自分もやったことがあって…」というかたも多いものです。

そうすると、初期(=親が教えられる段階)におうちで練習するときに親御さんが教えてくれる場合があります。

それが先生の教え方に変な影響をあたえなければ問題ないのですが、ときどき困ったことが起こります。

  • 勝手な指使いで弾いてくる
  • 音符にカナをつけてくる
  • 親の指示通り、まる覚え(楽譜を見ていない)

私の考え方としては・・・

ピアノのレッスンは曲が仕上がることだけが目標じゃない。楽譜を読むことができたり、指を10本まんべんなく使う、それによって指と脳がつながる、などピアノを弾くことによる副産物がたくさんあると思っています。

だからその辺をわかってもらえないときには、ちょっと困惑します。一つづつ丁寧に改善していきましょう。

  • 勝手な指使い・・・10本の指を全部使ってあげよう、使わないと動かなくなっちゃうよ、ピアノを弾く人はどの指も同じように使えるようにしよう
  • 音符にカナ・・・ある時期までは仕方ないとしても、カナに頼ってしまうと「ピアノの勘」が育ちません。カナ付けがずっと続くようなら親御さんに「カナ無しでやってみようと思います」と言ってみるとか、本人に「じょうずに弾けたからカナを消してみようか」と提案するなど、段階的になくしていけたらいいですね。

カナで弾くのはは左脳的感覚、カナ無しで音符の高低・間隔を感じて弾くのは右脳的感覚だと思います。実際には右脳的に音符を処理していかなければ本当にピアノが弾けるとは言えないと思うのです。

  • まる覚え・・・これもある時期までは仕方ない、と諦めてもいいのではないでしょうか。難易度の高い曲になってくれば「まる覚え」はできなくなるでしょう。まる覚えはかならず限界がきます。また、弾きたい曲が出てくれば自然と「楽譜を読みたい」と思うでしょう。

2.放任主義

放任主義の親御さんにも2種類あるように思います。

  • 子どもを信じて子どもの思い通りにさせている
  • 教室に通わせたらそこにお任せで無関心

東大生の親は「勉強しなさい」と厳しく言うことはないそうです。子どもがやりたいと思うことを自由にやらせてあげる、それは一見、放任のように見えるかもしれません。

でも実際には、子どもが困ったときには助けてあげる、わからないことは助言する、迷ったときにアドバイスする、というように子どもの後ろに常に控えているタイプ。このタイプの親御さんはこちらの意見も聞き入れてくれるし、ポイントとなる場面では力を貸してくれると思います。

問題は「まったくおまかせ」タイプ。

教室に通わせたらそれでおしまいで、先生が何とかしてくれるだろう、と思っている親御さんもいます。

別にピアニストになるわけじゃないし、それでいいと言えばいいのです。ただ発表会のようなイベントがあるときには、おうちのサポートがほしいですよね。

ピアノは頭で覚えるものではないので、週に一度のレッスンだけではどうしても身につかない。日々の練習が必要になってきます。

あまりにも進みが悪いお子さんの場合などは、何かの折にひとこと言ってみてはどうでしょう?

先生
○○ちゃん、宿題とかスイミングとかで忙しいみたいですね。ピアノも時々弾いてくれるようにお母さんからもひとこと声をかけてあげてください。

発表会の練習に関しては、親にも気にしてほしいですが本人の自覚も促したいですよね。子どもって時間感覚が良くわかっていないこともあって「発表会まであと4回しかレッスンできないんだよ」というように具体的な数字を出すとそこから急に伸びることもありますよ。

3.適度に関わるタイプ

放任主義の中の「子どもの後ろに控えているタイプ」の親御さんもここに含まれるでしょう。

また、熱心に子どもに教えてくれる親御さんでも「ある一線は超えない」、つまり最終的な決定権は先生の方にあるんだよ、ということをわかってくれる方。

それは「先生側に都合のいい親でしょ」と言われるかもしれませんが、それはその教室を選択した時点でご了承いただきたいところです。大幅に親の意見を通したいなら、先生は必要ないということですから。

ご縁があってつながった先生と生徒、そのご家族です。ピアノを通じて良い人間関係を築いていくことも、人生の学びのひとつ。

お互いが良い気分で過ごしていけるよう工夫しましょう。


-先生

© 2020 まなび no 研究室 Powered by AFFINGER5