幼児教育の中でもイチオシのリトミックについて引き続きご紹介します。
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リトミックって何するの?~幼児教育で人気の習いごと
「リトミックは幼児にとって良い教育らしい」のだけれど何をするのかわからない という方も多いと思います。さて、リトミックでは実際にどんなことをするのでしょうか? リトミックの基本~即時反応 即時反応とは ...
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目次
ピアノを習う前に体験しておきたい
もともとリトミックは「音楽大学の学生のために」考案されたメソッドです。ですから、これからお子さんにピアノやヴァイオリンなど楽器を習わせたいということであれば、リトミックは最適の習いごとです。(でも「うちの子は音楽に興味がないから」とリトミックを除外しないでくださいね。音楽以外に得ることもたくさんあります)
1.リズム感
リズム感は音楽だけでなく、ダンス・スポーツ・会話・演劇・芸能・・・いろいろな分野で必要とされるものです。これは人間がもともと持っている本能に由来するものなのかもしれませんね。
リズム感がいいと・・・
リズム感がいいと心地良くなり、心地よい会話が交友関係を広げたりします。
スポーツもリズム感がいいと、見ている観客は気持ちがいいし結果的にはいい記録が出たりします。
音楽や演劇もいいリズムで進行すると、とても心地よいものです。「不要不急」のものと思われがちな分野ですが、これらがどれほど生活に潤いをあたえているか・・・私は必要不可欠なものだと思っています。
リトミックで初期にたくさんする活動は「歩く」
音楽に合わせて「歩く」音が止まれば「止まる」、「ゆっくり歩く」「急いで歩く」
音楽に合わせて、というのがポイントでそこでリズム感を養うわけです。
「な~んだ、そんなカンタンなこと?」
と思われるかもしれませんが、あなどるなかれ!
音を聴く(=聴覚)ことと、身体を動かすことが同時におこなわれることで、子どもの中にリズム感の核が強固につくられます。
これはどちらか一つでは強度が足りず、聴く&動くの相互作用で確実にリズム感が身につきます。
2.即時反応
文字通り、即時(すぐに)反応することです。
上記の「歩く」に関連して、こんな活動があります。
音楽に合わせて歩く➡速さの変化に対応してすぐ歩き方を変える➡低音が聞こえたらすぐにしゃがむ➡高音が聞こえたらすぐにジャンプする
音楽の流れは止まらないけれど、その中に速さの違いを入れたり、「ルール」を決めてその指示に従って決められた動作をする。
これも、子どもたちは遊びのつもりで、何の負担もなくスキルを身につけることができます。とはいえ、ここでは聴く&ルールを判断する&動く、というようにさらに脳を使った活動をしているわけです。
これを訓練していくと反射神経が養われますね。そしてそれがピアノを弾く上でもとても有効になります。もちろんピアノ以外の分野、たとえばスポーツでも反射神経がいいのは有利ですよね。
コミュニケーション能力が身につく
1.親子のコミュニケーション
2歳・3歳のリトミックレッスンは親子いっしょにおこないます。
お母さんと手合わせをしたり、一緒にお散歩(歩く・走る)したり、ボールをコロコロと投げたり受け取ったり。
レッスンしながら思わずこちら(先生)も笑顔になってしまうくらい微笑ましい素敵な時間です。ふだんの慌ただしい生活の中では、子どもとじっくり向き合うのはなかなか難しいものです。また、忙しいお母さんはちょっとしたことでイライラしたり、子どもを叱っている時間も多いのではないでしょうか?
ほんのちょっとの時間ですが、レッスンの間だけは本来もっている優しい気持ちでお子さんと向き合う、それがお母さん自身にもお子さんにもエネルギーをもたらしてくれます。
鏡の法則
「親は子の鏡」でありまた「子も親の鏡」です。わが子を見て反省するお母さんもいるものです。
レッスンのときにはお母さんは大いに楽しんで欲しいものです。ちょっと大げさなくらいで大丈夫。子どもはそれを真似して豊かな感情を持つでしょう。また、お母さんが笑っているのを見ると子どもは嬉しくなるものです。これは理屈ではありません。童心に帰って子どもと一緒に楽しみましょう!
2.お友だちとのコミュニケーション
これはリトミックに限らず、幼稚園・保育園といった集団生活の中に入れば自然と身につくものではあります。リトミックの活動の中では・・・
- お友だちと2人組で手をつなぐ・手合わせする、などの活動
- 道具を使う際の順番(待つ、譲るなど)
- 一人ずつ活動するときの順番
- お友だちの活動を見て自分に反映させる
など、同年代の集団では仲間を見て刺激されることが多いものです。
お友達といっしょの時、気を付けなければいけないのは、そこにいる大人(先生やお母さん)の声かけです。この場面では学ぶことが多いので大人はうまくアドバイスしてあげたいものです。お友だちとの比較、その子本人への叱責、過剰な褒めことばなどは子どもの心にどう響くか、きちんと考えなければなりません。大人が思っている以上に子どもの心は繊細です。
表現力が身につく
レッスンの中に「動物さんになってみよう」というのがあります。
レッスンの意図としては、大きいゾウさん=ゆっくり、中くらいのウサギさん=ふつうのテンポ、小さいリスさん=速く、というようなリズム感を養うことも含まれますが、もう一つ表現力を養うという目的があります。
たとえば「ゾウになってみよう」というときに、多くの大人は片手を鼻に見立ててのっしのっしと歩きます。でも、そうじゃない子もいます。
- 手を大きく広げて大きな耳を表現する子
- とにかく足を大きく鳴らしてどっしんどっしんと歩く子
私たち大人は逆にその想像力に驚かされます。子どもの想像力はそれほど無限にあるんだな~って感心してしまいますね。
子どもが持っているたくさんのイメージを表出させてあげる。リトミックはそのきっかけをつくってあげます。想像力を眠らせてしまうのはもったいない!
リトミックの魅力は…
まだまだ書ききれないくらいリトミックには魅力があります。
子どもの幼児期、お母さんは24時間営業です。満身創痍でゆとりがないかもしれないけれど、長い人生のなかのほんの数年、過ぎてしまうとあっという間の時間なんです。
そして子どもの一生の中では間違いなく一番貴重な時間。リトミックはそこに潤いを与えてくれる一つのツールになると思いますよ。