私の教室にも「保育士になりたいのでピアノを教えてください」と駆け込んでくる方が時々います。
子どもの頃にちょっとだけピアノをさわったことがある人もいれば、高校生になるまでまったく触ったことがありませんでした(-_-;)という方もいます。
幼児期の体験というのは本当に貴重なもので、「ちょっと」でもピアノに触れている方は比較的スムーズに進みますが、大人になってから始めて弾くピアノというのはなかなかやっかいです。
でもあきらめてはいけません!やればできる!
保育士を目指すあなたへ、とくに保育士さんがよく弾く曲を中心にピアノの基礎をお伝えしていきます。
目次
1.歌う
あえて「歌う」をトップにしてみました。
ピアノを弾く前にその曲をよく知りましょう。歌ってみてください。歌うことによって・・・
- メロディがどのように進行するか(音の上がり下がり)
- 正しい音がわかる(ピアノを弾いたときに間違えていても気づかずに進んでしまう人がいます)
実際、保育の現場ではピアノを弾くだけでなく「弾き歌い」=弾きながら歌うことが要求されます。これができるに越したことはありません。
ともあれ、まずは歌えること。子どもの歌をたくさん知ってる先生は人気者ですよ。
2.指の訓練
ピアノを弾くには10本の指全部がまんべんなく使えることが大切です。
大人になると「使いやすい指」が決まってきているので、そこを改善していかなければなりません。私は子どもたちによく言います「全部の指が仲良く出てくるように」「どれかひとつが仲間外れにならないように、全部鍵盤の上にのせてあげて」
ピアノを弾くときには指番号があって親指から小指に向かって順に1・2・3・4・5となっています。
短い指(1・5)が出てこない人や、ふだん使う機会がない4の指などは思うように動かせない人が多いです。
でも、いろいろな曲を弾いていく上でやはり10本全部が使えた方が便利。訓練していきましょう。
楽譜に指使いが書いてあっても無視して勝手に弾いていると、結局自分が使いやすい指だけしか使っていなかったというケースもあります。指使いは次のメロディに繋ぎやすいように決められています。「絶対的」ではありませんが「効率よく」弾くためには指示にしたがって練習しましょう。
3.簡単なリズム練習
ピアノの鍵盤に向かう前に、どこにでもあるテーブルの上でリズム練習をしてみましょう。
目標は左右の手で別々の動きができること。(難しくないですよ~臆病にならないで~)
・同時に打つ
まずは左右同時にトン・トン・・・と、連続でたたきます。テンポが変わらないように。
・左手でテンポをキープ、右手でいろいろなリズムを打つ
左手はずっと同じテンポ(速さ)を保ってたたきましょう。そして右手だけ倍の速さにしたり、半分の速さにしたりします。
・【補足】上記の逆(余裕がある人はやってみよう)
右手が同じテンポをキープして、左手でいろいろなリズムを打つやり方です。余裕がある方はどうぞ。
実際に曲を弾いてみよう
コードネームというのを聞いたことがあるでしょうか?ここでは、ごく簡単に3つのコードをご紹介します。そして、この3つをマスターすればたくさんの曲に応用できます。(なんならすべての曲といっても…^^)
・Cのコード=ド・ミ・ソ
どのコードもそうですが、3つの音はかならずド・ミ・ソの順番で並んでいるとは限りません。ある時はミ・ソ・ド、またある時はソ・ド・ミというように、構成音は同じでも音の高さが違って出現するので、謎解きのように楽譜を読み解いていきましょう。
実際にド・ミ・ソの和音を弾いてみました。(一度に3つの音をまとめて)
それから一音づつバラして弾く伴奏(ド・ミ・ソ=3拍子)(ド・ソ・ミ・ソ=4拍子)
Gのコード=シ・レ・ソ(*ソ・シ・レ)
同様にGのコードです。Gというのはソの音のことで、ソから音を一つ飛びで「ソ・シ・レ」と重ねたものがGのコードの基本形です。でも、音楽の流れとして「シ・レ・ソ」と順番を変えた方が弾きやすいのでそのようにしてあります。
Fのコード=ド・ファ・ラ(*ファ・ラ・ド)
同様にFのコード。Gと同じでF(ファ)から一つ飛び「ファ・ラ・ド」が基本形ですが、「ド・ファ・ラ」に変えてあります。GとFはこの方が使いやすいと思います。
CとGだけで演奏「おかたづけのうた」
保育園・幼稚園でよく使われる「おかたづけのうた」はCとGだけで伴奏ができます。
CとGとFのコードで演奏「おかえりのうた」
こちらもよく使われる曲「おかえりのうた」C・G・Fのコードさえ弾ければ大きな強みになりますよ。
やればできる!
高校を卒業するまでピアノに触ったことがなかった人が保育士になろうと一生懸命ピアノを練習する、という場面によく出会ってきました。
それでも強い意志さえあれば、かならず弾けるようになります。
それから忘れてはならないのは「保育士さんは大切な子どもを育てる重要な仕事」だということ。ピアノも大事ですが、保育士としての大きなミッションも忘れないでくださいね。