「ピアノは大人になってからでは無理」とあきらめていませんか?
決してそんなことはありません。
子どもの時にまったくやったことがない人でも、いくつになってもピアノは弾けます。一歩踏み出す勇気さえあれば!
目次
基礎練習か?いきなり曲か?
私は「大人でピアノを始めたい」という方にはまずこの質問をします「基礎練習からやりたいですか?それとも弾きたい曲がありますか?」
子どもの場合はかならず基礎練習なのです、とりあえず。でも、大人の場合はそれまで生きてきた経験があるので(音楽に関係なくても)教師側からの指示を理解する力、模倣する能力、努力する意志、などが程度の差こそあれ備わっています。
だから、もし「この曲が弾きたい!」という目標があれば簡易楽譜を探して、いきなり曲に取り組むこともできなくはないのです。
あまりにもかけ離れていれば、その曲と雰囲気が似た簡単な曲から入るとか、その曲に活かせるような課題を含む曲を見つけるとか、やり方はいろいろ。
「子どもの頃、基礎練習ばっかりでつまらなくて辞めちゃった」という人もいます。大人になったらそんなことで苦しまなくても大丈夫。
また、逆に「基礎からしっかりやりたいんです」とおっしゃる方もいます。誰かと競うわけでもない、のんびりとマイペースでピアノを弾きたい、ということで定番の練習曲から始めるのもアリ。大人のピアノは自由なやり方で進められます。
教室探し~教室を決めるポイント
教室を決めるポイントはいくつかあります。
- 家の近く(職場の近く・実家の近く)など通いやすいロケーションであること
- レッスン時間・料金・レッスン体系・振替など事務的なこと
- レッスン内容(上記のように基礎からなのか?融通が利くのか?)
- 先生との相性
事務的なことについて:
- レッスン時間は30~60分くらいが相場でしょう。内容にもよりますが初心者で60分は結構キツイかもしれませんね。
- 個人レッスンなのか?グループレッスンなのか?それによって料金も違ったりします。
- また、月謝制の教室と単発レッスンが受けられる教室もあります。
- お休みしたときの振替はできるかどうか?
これらのポイントをおさえて、自分の生活スタイルに合った教室選びをするといいですね。
上達のコツ
姿勢・指のクセ
大人でも子どもでも上達するために気を付けることはほぼ同じなんですが、大人のかたの場合、それまでの生活で身についてしまったクセが邪魔をすることがあります。そういった面では大人の方が苦労するかもしれません。
ピアノは指先で弾くものですが、からだ全体を使うと思ってください。
背中が丸まっていたり、のけぞるような姿勢、肘が張っていたり、逆にくっつきすぎていたり…不自然な姿勢は演奏を邪魔します。
どうしてうまく弾けないんだろう?という悩みが、姿勢を直しただけですぐに解消することもあります。
指のクセも同じで、これは本当にいろんなクセのかたがいます。ピアノを弾く経験がなければ、10本の指は均等に使われないんですね。たいていのことは親指・人差し指・中指の3本でできてしまう。でもピアノはすべての指が同じように仕事をしてくれないとうまく弾けないのです。
ここは大人の踏ん張りどころ。やればできます!
人間の機能はうまくできていて「使わないと退化する・使えば進化する」のです。忘れられていた指にスポットを当てて能力を育てていきましょう!
楽譜の読み方
大人は子どもより論理的に考える脳が発達しちゃってるので(?)楽譜にカナをつけたがります。ド・レ・ミというように。
ところがピアノは単旋律の楽器ではないので(一度に複数の音を出す)最初は付けたカナで音を見つけていきますが、最終的には全部覚えてしまうまでやらないと完成しない。
「ドーレーミー」と心の中で歌いながら弾くとします。そこに左手の伴奏が「ドーソードー」ってついたらどうしましょう?一人で二つの音は歌えませんよね。
この問題はピアノを弾くためのコツにつながるのですが、右手がメロディを弾く場合、左手の伴奏の方は歌っても意味がありません。これは指の運動だと思って訓練することです。
練習方法のヒント:左手(伴奏)だけを弾きながら右手の音(メロディ)を歌う。歌っている音と聞こえてくる音(伴奏)が異なるということです。二つのものを頭の中(耳の中)でミックスする練習です。
ピアノを弾いている人の脳は楽譜を「ドレミ」の文字ではなく、「図柄」として見ています。
たとえば「ド・ミ・ソを一度に弾く」のなら「鍵盤ひとつ飛びに指を置く」という感じ。文字(ドレミ)で考えるのは大人の発想。文字を知らない子どもがピアノを弾けるのは、感覚として単純に捉えているからです。だから子どもにならって単純に考えるようにするとうまくいくこともあります。
楽器としてのピアノの特質
ピアノの鍵盤は重いですね。最近の電子ピアノはとても進化してきて重たいものもありますが、中にはちょっと触れただけですぐに音がなってしまうものもあります。
電子ではない本来のピアノの鍵盤は、ハンマーといわれるまさにハンマーのような部分が弦を打って音が出ます。ですから「打つ力」がないとダメなのです。しかも10本の指全部が、それぞれ独立して。
そしてここで問題なのが「同じ音を続けて弾く場合」です。
ハンマー(トンカチ)で何度も打つことを想像してください。打ったら下に降ります。もう一度打つにはいったん上に戻さないといけないのです。
何をあたりまえのことを…とお思いでしょうが、ピアノを弾くときにこれに苦労する人は結構います。いったん指が下に降りる(鍵盤を鳴らす)と力が入ってしまって上に上がってこない。もちろんゆっくりやればできるのですが。
ポイントは指先に入りすぎた力(重さ)を取り除くこと。そのためにも姿勢は大事です。知らず知らず、からだの重さが指に集中しているかもしれませんよ。・・・その前に、力が入っていることに気付かないといけませんね。
まとめ
人間、生きているうちはずっと成長したいものです。学びたい意欲は人間の本能でしょう。
あきらめることはありません。恥をかくことを恐れてやらないか?後悔しないために恥をかくか?「恥」かどうかというのも捉え方次第ですけれど。
一歩踏み出す勇気を!