音楽

【音楽豆知識】シャープ・フラットがたくさんついている曲・その仕組み

音楽高校・音楽大学の受験にも役立つ楽典【音楽豆知識】です。

曲によってシャープ(♯)やフラット(♭)がたくさんついているものがあります。何が違うんでしょうか?

基本事項:♯は半音上がる(上げる)、♭は半音下がる(下げる)です。

調によって♯や♭の数がちがってくる

前回お話した通り、楽曲にはいろいろな調があります。(ハ長調とかヘ長調とか)

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決められた通りの並び順で音をつないでいけば、どの音からでも音階ができます。(どこから始めても「ドレミファソラシド」に聞こえる)

ただし、そのためにはピアノでいうところの「黒鍵」を使わなければならず、これが♯や♭になるわけです。

そして例えばト長調はファがシャープになる、ニ長調はファとドがシャープになる、というようにその調によって♯・♭の数も違ってきます。

音階に♯・♭がつく仕組み

ハ長調には♯も♭も何もついていません。

ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド

これはピアノの白鍵だけで演奏できる調です。では♯・♭がつく順番をご紹介しましょう。

シャープ(♯)がつく調・♯1つ~7つまで

シャープが1つだけつく調はト長調です。

ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ♯・ソ

ソから順番に音をならしていくとファを半音上げる(シャープにする)だけで、他は何もいじらなくても音階ができてしまうのです。(ドレミファソラシドに聞こえる、ということ)

♯1つ ト長調
♯2つ ニ長調
♯3つ イ長調
♯4つ ホ長調
♯5つ ロ長調
♯6つ 嬰へ長調
♯7つ 嬰ハ長調

嬰(えい)というのは♯のことです。つまり♯6つ・7つの調はファの♯から始まる調・ドの♯から始まる調ということになります。

ここまでくると異名同音の調になってしまって、混乱してしまうので実際には使われません。

シャープ(#)がつく仕組み

シャープがつく調は一定の法則にしたがって♯が増えていきます。

1.始まりの音(=その調の名前)が5こづつ上がっていく

音名(順番) 調名 ♯の数 ♯がつく音
ド ① ハ長調 ナシ ナシ
レ ②
ミ ③
ファ④
ソ ⑤ ① ト長調 ♯1つ ファ
ラ   ②
シ   ③
ド   ④
レ ① ⑤ 二長調 ♯2つ ファ・ド
ミ ②
ファ③
ソ ④
ラ ⑤ ① イ長調 ♯3つ ファ・ド・ソ
シ   ②
ド   ③

2.♯がつくのは、その音階の7番目の音(たとえばト長調なら、①ソ②ラ③シ④ド⑤レ⑥ミ⑦ファ⑧ソ)

一度付いた♯はそのまま残り、次の音階の7番目にあたらしい♯がつきます。

3.その法則に従って次々と♯は増えていきます。

フラット(♭)がつく調・♭1つ~7つまで

フラットが1つだけつく調はヘ長調です。

ファ・ソ・ラ・シ♭・ド・レ・ミ・ファ

ファから順番に音をならしていくとシを半音下げる(フラットにする)だけで、他は何もいじらなくても音階ができてしまうということです。(ドレミファソラシドに聞こえる、ということ)

♭1つ ヘ長調
♭2つ 変ロ長調
♭3つ 変ホ長調
♭4つ 変イ長調
♭5つ 変二長調
♭6つ 変ト長調
♭7つ 変ハ長調

というのは♭のことです。♭2つの調はシの♭から始まる調ということになります。

フラット(♭)がつく仕組み

シャープと同様にフラットがつくのも法則があります。

1.始まりの音(=その調の名前)が5こづつ下がっていく

音名(順番)*下行 調名 ♭の数 ♭がつく音
ド ① ハ長調 ナシ ナシ
シ ②
ラ ③
ソ ④
ファ⑤ ① ヘ長調 ♭1つ
ミ   ②
レ   ③
ド   ④
シ(シ♭) ⑤① 変ロ長調 ♭2つ シ・ミ
ラ    ②
ソ    ③
ファ   ④
ミ(ミ♭)  ⑤① 変ホ長調 ♭3つ シ・ミ・ラ
レ     ②
ド       ③

2.♭がつくのは、その音階の4番目の音(たとえばヘ長調なら、①ファ②ソ③ラ④シ⑤ド⑥レ⑦ミ⑧ファ)

一度付いた♭はそのまま残り、次の音階の4番目にあたらしい♭がつきます。

3.その法則に従って次々と♭は増えていきます。

そもそも「音階」とか「調」って何?

ハ長調は#も♭もつかなくて、たくさんの#や♭がつく調もあって・・・

で、結局「調」って何?という問題があります。

「調」はその曲の「家」

ひとつの曲はひとつの「家」の中で作られている、と考えてみましょう。

音階はその家の家族です。順番通りに並ぶと階段のように高さ(音の高さ)があるので「音階」といいます。

でもいつもいつも順番通りに並んでいるのではなく、いろんなところにいって美しいメロディをつくるのです。

時々、きれいな流れを作るために外から別の音を借りてくることもあります(たまに出てくる臨時記号

また、別の家に引っ越すこともあります(転調

曲中で転調が起こると人間の心の動きに変化が起こります。(医学的な根拠があるわけではありませんが、多くの人がなにかしら感じ取るものです)高揚感・興奮・感動、などを演出するために転調をして、そのままフィナーレを迎えることもあります。

まだ未熟な演奏者が練習すると、転調したときになんだか違和感をおぼえます。それまでいた家ではないからです。引っ越したばかりの家にはなかなか慣れず、居心地が悪いのです。転調ってそんな感じです。

それくらい「調」(=家)にはそれぞれ個性があって、その曲に合わせていろいろな調で作曲され、また色合いを変えたいときに転調するためにも、いろいろな調が必要になってくるわけですね。

調性には長調のほかに短調があります。そちらはまた次の機会に。


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