音楽

【音大を目指す人へ】受験準備と就職先・入学前と卒業後のこと

小さいころからピアノを習っていた

合唱部に入って歌に目覚めた

吹奏楽部で音楽にハマってしまった

…など、音楽に魅了されて音大に行きたいと思う人は少なくありません。でも「どうしたら音大に入れるの?」「就職先はあるのかな?」と本人も親御さんも不安でしょう。その疑問、音大入学への準備と卒業後について少しでも参考になれば、と思いながら書いていきます。

受験に必要なこと

専門楽器(ピアノ・管弦楽器・声楽など)

まずは専門分野が鍛錬されていなければなりません。各楽器ごとに課題曲が提示され、実技試験がおこなわれます。たいてい「課題曲」と「自由曲」があり、春~夏頃に提示されて6~8か月くらい練習して本番に臨むというかたちです。ただ、毎年似たような曲なので過去の課題を練習しておくのは有効です。

副科ピアノ

「中学・高校の吹奏楽部で音楽に目覚めた」という人も多く、専門楽器については問題ないんだけれど副科ピアノが・・・(-_-;)ということがよくあります。

音大ではどの学科でも、専攻がどの楽器でもほぼ確実にピアノを弾くことになります。これは避けられません。

幼少期に少し習っていた人は早めに再開しましょう。

まったく弾いたことがない人・・・音大受験を決めた時点ですぐピアノを習う準備をすること!そして必死で、経験者の何倍も何十倍もたくさん練習すること!そうすれば可能性はゼロではありません。

人にもよりますが、幼少期に指を使うのと、大人になってから指を動かそうとするのとでは大きな差があります。

過ぎてしまった幼少期を悔やんでも仕方ありません。もうやるしかない!人間のからだは訓練で鍛えられるものです!

ソルフェージュ関係

音楽の基礎技能と基礎理論ということ。以下のような項目があります。

  • 聴音
  • 新曲視唱
  • コールユーブンゲン
  • 楽典

聴音とは・・・

聴いた音を楽譜におこすこと。

〈例〉「Fdur(ドゥアー)、4分の4拍子、12小節」というように指示があります。これは「ヘ長調で4分の4拍子の曲で12小節弾きます」ということ。五線紙に12小節分の区切りをつけ、ト音記号を書いて、ヘ長調の調号(♭1つ)をつけ、4分の4と拍子を書きます。

これが即座にできるように楽典(後述)も理解しておかなければなりません。

新曲視唱とは・・・

用意された8~12小節程度の曲を、初見(その場で初めて見る)で3~5分程度見てすぐ歌うこと。音程・リズムの正確さを問われます。歌う声の大きさや音色・音質については審査対象外です。

コールユーブンゲンとは・・・

視唱練習のための教則本です。基本的な音程・リズム・拍子・調性、などが網羅されていて、音大の受験では「コールユーブンゲン〇番から〇番までの曲の中から当日指定で歌いなさい」という課題があります。「〇番から〇番」の範囲はとても広いです。ほぼ1冊まるごと練習しておく必要があります。

練習を重ねると慣れてきますし、これが新曲視唱の練習にもなります。

楽典とは・・・

音楽の基礎理論のこと。音大受験で主に出題されるのは、

  1. 音名:ドレミはイタリア語、ハニホは日本語、音大ではドイツ音名を使います。#(シャープ)・♭(フラット)がつくと読み方が変わります。それもドイツ音名で言えること。
  2. 音程:3度とか6度といった「度数」、それに付加される「長・短・増・減」といった専門用語がわかること。
  3. 調性:長調・短調の名前、それぞれにつく調号(シャープやフラット)の決まりがわかること。
  4. 調性判断:調性の決まりを理解した上で、実際に楽譜を見て「これは何調か?」判断する。ただし、転調もあったり、臨時記号によるかく乱(?)もあって、一筋縄ではいきません。視唱力もあれば有利だし、総合的な力が必要です。
  5. 音楽のルール:各種記号や音楽用語(速さ・強弱・表現など)を理解していること。

その他

英語・国語などの一般学科。これも試験科目にはありますが、あまり重要視されないかと思われます。

卒業後・就職先

  • 一般企業
  • 音楽関係の企業・団体
  • 進学・留学
  • 教員
  • 演奏家

音大を出たからと言って、音楽関係の仕事に就くかというと必ずしもそうではありません。

とくにプロの演奏家としてやっていく人はひと握りと言えるでしょう。

音楽関係の仕事に就きたい人

  • 演奏家
    「どうしても演奏家になりたい」という人は、どんな分野でも同じですがいばらの道を覚悟して行くしかありません。一つの道を究めるのは大変なことです。その覚悟をもって臨める人は演奏家になれるでしょう。
  • 留学
    その先には「プロの演奏家」という目標がある人がとる道ですね。同様の覚悟が必要です。
  • 教員
    中高の音楽科の教員免許は音大で取得できます。ただ、音大では「教える」ことより「演奏」について学ぶことが多いので(音大の中の教育学部は別)教員になる意識をしっかりと持っていた方がいいでしょう。
  • 音楽関係の企業
    これは案外いろいろな企業があるものです。音楽ホールの運営・企画、演奏会の運営・企画、楽譜の出版・販売、楽器の販売・リペア、・・・など、音楽の専門知識を活かせる場は、一般的に言われるほど狭くはないと思います。

とくに音楽関係にこだわらない人

音大を出たからと言って音楽関係に就職しなければならない決まりはないですね。

なかには「大学で音楽はもうやりきった!あとはまったく関係ない仕事に就いて趣味として音楽をしよう」という人もいます。

それも潔くて素敵です!

そんな人は一般の大学と同じように一般企業・公務員、また自由業という選択をする人もいるようです。

メモ

「音大に入るにはお金がかかる」と思われていますし、実際に一般大学より学費が高いところがほとんどです。そのため「お金をかけて音大に入ったんだから元を取らなきゃ」という気持ちが出てくるのも仕方ないかもしれません。でも、「音大で音楽を勉強したい」という気持ちはお金で測れるものではないはず。学費と就職先を天秤にかけるのではなく、そこは切り離して卒業後の自分の歩む道を考えるべきでしょう。

音大に入って得られるもの

音大だろうと一般大学だろうと

音大では一般大学にはない特殊な科目を勉強したり、実技の訓練(レッスン)があったりして、ちょっと別枠で見られるところがありますが、実際は「特殊な科目」も「実技訓練」も一般大学にだってあるものです。なんら変わりはないのです。

中にいるのは20歳前後の普通の若者たちです。友達と遊び、バイトして暮らし、人間関係に悩み、他愛ないことで大笑いして…というような。

だから「音大だから」とか「一般大学だから」とか、比較することはナンセンスです。社会に出たら、一個人として「どんな人間なのか?」ということが重要なのです。

「音大」という肩書なしに『自分はどんな人間でありたいか』を追求して大学生活を送ることで、得るものはたくさんあります。

音楽が与えてくれるもの

前述の意見とは別に「音大だからこそ得られるもの」というのもあります。

音大で音楽を極めることによって、その本質のようなものに触れることができるかもしれません。

少し専門的?感覚的?スピリチュアル的?になるかもしれませんが、音楽には・・・

  • 人の心を動かす力
  • 心を整える効果
  • 協調する技術
  • 感情の疑似体験
  • 想像する力

などなど、目には見えないたくさんの効果があります。

私は音大の学生はこれら目に見えない力(非認知能力ともいえるかと思います)を習得しているのではないかと考えます。

だとすれば、それは大きな財産です。「音大はお金がかかるのにつぶしがきかない」というのは誤りということになりますね。

音大で得られる力を、ひとりの人間の力としてその先の人生に活かしていってほしいと願っています。


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